1. 予兆は現実になった — 200日制限の開始
2026年3月15日、SSL/TLS証明書の世界で大きな転換点が訪れました。CA/Browser Forum の Ballot SC-081v3 に基づき、証明書の有効期間上限が 200日 へと短縮されたのです。
| 適用時期 | 有効期間上限 | 影響 |
|---|---|---|
| 現在 (2026年3月〜) | 200日 | 手動更新が年2〜3回に増加 |
| 2027年3月〜 | 100日 | 四半期ごとの更新が必要に |
| 2029年3月〜 | 47日 | 年8回更新。手動運用は実質破綻 |
47日時代が来れば、1ドメインにつき1.5ヶ月に1回、確実に作業が発生します。複数ドメインを抱える現場で「Excelで期限管理して手動でCSRを作って……」という運用を続けるのは、もはや物理的に不可能です。
2. 追い打ちをかける「VMware ショック」の第2波
証明書問題と並行して、インフラの足元も揺れています。2023年の Broadcom による買収以降、VMware のライセンス体系は激変し続けています。
- サブスクリプションへの完全移行: 永久ライセンスは過去の遺物となりました。
- 「最低72コア」ルールの衝撃: 2025年の改定により、小規模な環境でも大きなコスト負担を強いられるケースが急増しています。
- 国産クラウドの苦境: 2025年10月の「ホワイトラベルプログラム」終了により、VMwareをベースにしていた中堅・小規模な国産クラウドが値上げやサービス改変を余儀なくされています。
3. インフラの「断捨離」と「再定義」
2029年の「47日時代」を生き抜くためには、「自動更新できない環境」と「過剰なVM依存」を捨てる決断が必要です。
◎ 結論:WordPress サイトに IaaS は「過剰」である
もしあなたが管理しているのが WordPress やコーポレートサイトなら、もはや VM(仮想マシン)を立てる必要はありません。
- 構成: さくらのレンタルサーバ + Cloudflare
- メリット:
- 証明書は Let’s Encrypt で完全自動更新。
- Cloudflare の WAF で脆弱性対策も万全。
- OSパッチも VMware ライセンスも、あなたが気にする必要はありません。
4. 2026年、選定の軸をどう変えるか
| 用途 | 推奨アーキテクチャ | 証明書管理 | 脱VMware度 |
|---|---|---|---|
| Web/CMS | レンタルサーバ + CDN | サービスにお任せ | 100% (SaaS/PaaS) |
| 小規模業務系 | コンテナ / PaaS | マネージド証明書 | 100% |
5. まとめ
- 2029年に「詰む」運用を今すぐやめる: 手動更新からの脱却は「努力目標」ではなく「生存戦略」です。
- VMware 依存度を下げる: 更改タイミングは、KVMやパブリッククラウド、SaaSへの乗り換えのチャンスです。
- 適材適所: すべてを VM で作るのは古い。WordPress なら CDN + レンタルサーバが最強の現実解。